主任、それは ハンソク です!
8 / 主任、あなたのことが、知りたいです

「今日は臨時の定例報告会だから、遠慮しないでなんでも言ってくれ」

 前回同様、江戸屋のカウンター奥で、私は俯いたまま梅サワーをちびりと飲んだ。主任の焼酎のグラスは手つかずのままで、無駄に汗を流している。

「俺も、ちょっと自分の認識、変えなきゃならない事があってだな……」

 主任らしくもない歯切れの悪い言葉の運びに、なんだか妙な罪悪感に駆られてしまって、私はおずおずと顔を上げた。

「……すみません。私、主任に気を使わせてしまっていますよね」
「いや、それはないぞっ、全然ないっ!」

 相変わらず主任の声は大きいけど、気まずさが隠しきれてなくて、ますます居心地が悪い。
 この場合は、私の方から口火を切らなくちゃいけないんだろうな。手の中のグラスをくいと傾けて弾みをつける。

「あのぉ、そ、それでは」

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