片思いは楽しいのか。
入学式
前髪OK

リップもOK

リボンも曲がってない

スカートの丈も大丈夫

靴下もずれてない

靴もピカピカ!


入念に服装チェックをして、私は念願の高校に足を踏み入れた。

同じ中学校の人はおらず、また1からのスタートだけど、今はワクワクの方が断然大きい。

(どんな人と仲良くなれるんだろ…)

楽しそうな高校生活を想像していると自然に顔がほころんだ。


自分のクラスは…香野…
あ!2組だ!
確認してすぐ、教室に向かおうとした。

けど…場所がわからない。
何回かオープンスクールで来たことはあったのだが、どこか覚えていなかった。

(どうしよう…。知り合いもいないし…)

私はその場でただ突っ立っていた。
するとある女の子が私に向かってきた。

「お!あなた何組!?私、2組やねんけど!」

その子はボブで笑顔がとてもかわいかった。
スタイルもよくて身長は…160くらい?
芸能界に入っていてもおかしくないくらいだった。

「あ、私も2組です…!」

「ほんま!?じゃあ教室まで一緒に行かへん?」

「あ、もちろんです!」


救世主がいた…
何故か関西弁なのは置いておいて、話しかけてくれてよかったぁ…

「私さ、元々神戸に住んどったんやけどここに来たくて引っ越してきてん!だから今は一人暮らしやねん!」

「へー!そうなんだ。
ここに来たくてって言うことは、バスケ部?」

「うん!」

ここの学校はバスケ部の強豪校で他県から来る人も少なくない。
きっと彼女もその1人なんだろう。
だから関西弁なのか、納得。

「けど、よかったー!
仲いい人がおらんくて心配やったけど、こんなかわいい子と同じクラスでよかったー!」

「私も。同じ学校の子がいなくて心配だったけどよかったよ!」


そんな話をしながら、教室に入って座席表のとおりにお互い座った。

席は…なんと前後だった。

「おー!近いやん!前後、よろしく!」

「うん!」

そして教室に先生が入ってきた。

もうすぐ入学式が始まるみたいだ。


右隣の席には誰も座っていなかった。
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