彼女に落ちるまで~甘い運命 修一side

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さっさと仕事を片付けて、同じ課の同僚にお疲れ様です、お先にと声をかける。

珍しく定時で上がる俺に、後輩がニヤけた顔でデートかと尋ねた。

友人と会うのだと言うと、とてもそうは見えないと言われた。

「そんなにウキウキした感じの三上さん、俺見たことありません。」

「そんなことないとないと思うけど。
俺、そんなに浮かれてる?」

──深々と頷かれてしまった。

言葉を失った俺に、後輩は呆れたような表情で、肩をポンポンと叩いた。

「いつも冷静沈着な三上さんが、意外ですね。

まあ、楽しんできて下さい。
聞くだけ野暮な気がしてきました。」

─そんなことないのに。変なやつ。
ペコ、と頭を下げて去っていく後輩の背中に、誰に聞かせる訳でもなく、一人呟いた。

気を取り直して鞄を持つと、俺もエントランスに向かう。

その足取りは、自分でも分かるほど軽かった──

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