「そのお弁当、どうしたの?」


こっそりと一番目立たない場所で、ひとりでお弁当を食べるつもりだったのに、悠理はそんな私に気づいたのか、わざわざ私の目の前に腰を下ろした。


「あ、これは、」


まさか、柏葉さんと同居することになって、柏葉さんに作ってもらったと言えるわけがない。

言葉に詰まっていると、私たちのすぐ近くに、女子社員が集まり出した。


「柏葉さん、お弁当なんですか?」

「彼女さんが作ってくれたんですかー?」


どうやら、その席には柏葉さんが座っていて、例のお弁当を広げているらしい。
中身が同じことがバレたら、それこそ私が柏葉さんと同居してることまで知られてしまう。

悠理の気が、柏葉さんの方に向いているのをいいことに、私はお弁当を隠しながら食べ始めた。
悠理も柏葉さんのことが気になるらしく、一度私の方を見たものの、立ち上がって柏葉さんのいる席に近づいていく。

そしてすぐに戻ってくると、仁王立ちして私のお弁当の中身を覗き込んだ。


「ちゃんと話してくれないと、今ここで思ったこと、言っちゃおうかな」


こういうことに、敏感な悠理のこと。
どうやら、気づいてしまったらしい。


「はい、ちゃんと話します」


こんな場所で全社員にバレたら、それこそどんな陰口を叩かれるかわかったもんじゃない。
仕方なく、観念した。

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