解離性同一性障害と私。
病気発症……

虐待

「胸が痛い、苦しい」

私は夜中、胸を抑え踞る。

この辛さに気づいたのは、16歳、高校一年生。

だけど本当は、ずっと前から苦しんでいた。
長い余興に過ぎなかった。

ずっと、ずっと苦しくて突然、現れた苦しみは本当はもっと前から合ったんだ。

覚えてるのは、小学四年生頃の誕生日……


おばあちゃんに地下に置き去りにされた、あの日。

暗いし、冷たいし、怖かったあの日。


誰もいない筈の地下に、女の子を見た。

それは、私だった。

ニヤリ、と口元は笑う目の笑わない女の子。

まるで鏡があるかのようにそこにいた。

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