エリート部長の甘すぎる独占欲~偽装恋愛のはずでしたが!?~
3.意地悪と甘いキス

翌日のメイン業務は、オフィスと同じ階にある小会議室で新商品についてのチームでのミーティングだった。

午前の部を終えたら、昼休みをはさんでまた集合。ということで、お昼も自然とチームの皆で外で食べようかという流れになったけれど、私は今夜も外食だしなぁと、誘いを断った。

外食だとどうしても食べすぎてしまって、後で体重計に乗って後悔……ということが若いころに比べてよくあるんだよね。

もう、二十七だし。代謝とか落ちてるよね……コンビニでも行って質素なランチにしよう。

そう決めてオフィスに戻り、椅子に置いてあったバッグから財布を取り出したそのとき、パソコンのディスプレイの枠に貼られている、見慣れない付箋に気が付いた。

もともと自分のメモ用にも付箋はたくさん貼ってあるのだけど、そのなかに自分の文字でないものがひとつある。

【すみません。今夜、行けなくなりました。埋め合わせは後日】

品のいい几帳面な文字。名前はないけれど、これは部長の字だ。ぺり、と指で剥がして読みながら、その意味を理解する。



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