死にたがりティーンエイジを忘れない

話をしたいという気持ち



一年生の出席日数はぎりぎりだった。

大学の推薦入試はもう絶対に受けられない。

まあ、そんなの別にどうだっていいや、と思ったけれど、


学校では、二週間に一度は進路関係の集会や授業がある。

月に一度は模擬試験がある。

進学先の大学を決めろ決めろと、担任からも進路指導の先生からも口を酸っぱくされた。

面倒だった。


授業に出ない割に、模擬試験の成績はよかった。

唯一どうしようもなかったのは、やっぱり数学だ。

赤点こそ取らなかったけれど、百点満点のテストで英語と数学の点差が五十五点なんてこともあった。


進路調査でも、模擬試験の志望校の記入欄でも、テキトーな大学名しか書かなかった。

地元から離れたいという気持ち以外、希望することはなかった。

住んでみたい場所もない。

大学の文系の学部で何が学べるのか、それを調べてみたいとも思わなかった。


年度が改まって、二年生になった。


文系特進クラスはほとんどそのままメンバーも変わらなかったけれど、担任だけ変わった。


三十代後半の国語の男性教師。

細身やメガネを掛けていて、変わり者だった。


「鹿島《かしま》といいます。さて、きみたちはこの言葉の意味を知っているか?」


黒板に書かれた文字は「生徒」。

鹿島先生の質問の意図がわからずに、クラス中がキョトンとした。


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