当たり前です。恋人は絶対会社の外で見つけます!
満腹なときに思い出した事。ある綺麗な人の事。
思い出してたのは本当に最初の頃に参加した会社の飲み会の時の事。

同じ課の先輩に誘われた。
断りにくく、同じ課に配属になって仲良くなった同期のみゆきも行くと言うので一緒に参加した。

本当に知らない人ばかり。
それでも隣にみゆきがいて、その向かいには先輩の千野さんもいた。

私の向かいの人は知らない先輩だった。
それなりに話をしてくれたのはみゆきと千野先輩で、まあまあ盛り上がってたつもりだった。


みゆきの横にはとてもきれいな人がいた。
きれいさに隙がなかった。
秘書課の先輩らしい。
スタイルもいいし、美人で色気もあって。
化粧も崩れることなく、髪もきれいにまとめられてて。

完璧です。
神々しいくらいに完璧です。

秘書課とはこういうものなんだと思った。
次元が違う。

ちょっとだけ隣じゃなくて良かったと思った。
同じ女性でひとくくりにされても自分とは違い過ぎる。


そんな人もいる飲み会。
私が話をしたのはみゆきと千野先輩だけ。

トイレに行って戻る時にすれ違ったのは新人研修で見覚えのある二人。
私に気が付いたのは大場。
もう一人は・・・名前は忘れたけど、同期なのは確か。

「やっぱすごい、際立って美人。あんな人の彼氏がうらやましいよな。」

「まあな。」

「俺だったら週末引きこもる。もうずっと二人で寝室にいる。」

「何を想像してんだよ。」

そんな会話をしながら歩いてきて、大場と目が合ってしまった。
恥ずかしい会話を聞いてしまった。
目が合った途端に顔を赤くされたから余計にそう思った。
視線をそらしてすれ違う。

「なんだよ、啓も考えて赤くなってるだろうが。リアルに想像しただろう?」

「違う。」

そんな会話が背後から聞こえてきた。
席に戻る前に立ち止まって振り向いた。
大場もこっちを向いていてまた目が合って、急いで視線を外した。

別に・・・・気にしてないから、そんな会話。
冗談でしょうし。

そんな潔癖でもないです。
1人で言い訳をした。

ただ、ちょっとだけガッカリした。

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