執事の君に愛されて……

執事のいない時間ーー

カタン………。

ん?

ん、何?

「あの、何?」

壁と、零の間に挟まれてる私。

この状況は…。

「一人にはなるなよ。
伊織には、気を付けろ」

え…?

こんな話し方する人だっけ?
目の前の男は、ニヤリ、と笑う。

「後、隙見せるな。
俺が居なきゃ守れない……」

守れない?
私、いつ守って貰ってた?

「離してよ、隙なんてないし……守って貰われたことなんてないし、私、行くから‼」

私は、慌てて外に出た。
意味が分からない。
"俺が居なきゃ守れない"ーーー?

意味が分からない。

私、守って貰ったことないし。

「古谷さん、一人??一人で大変だね、荷物持つよ~っ」

「あ、俺も俺も」

あれ?
さっきまで、こんなに声掛けられたかな?

まだ、会社に来て数時間だけど、こんなに声掛けられた記憶がない。
なんで?

オフィスに行くと、女の子は私、一人。

マイもいない。
なんだか緊張する。

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