一途な彼にとろとろに愛育されてます



「ごめんなさい……無用心でした。心配してくれて、ありがとう」



さっき檜山が飲み込んだ言葉は、『あまり心配させるな』といったようなものだったのかもしれない。

だけど、自分がそこまで心配したことを知られたくなかったのかも。

あくまで想像でしかないけれど、それはそれで不器用な彼らしいと思った。



そんなあなたに伝えたいのは、ごめんなさいと、ありがとう。



「……反省したならよし」



ところが次の瞬間聞こえて来たのは檜山の低い声。

まさか起きているとは思わず、私はその背中から顔を上げる。



「起きてたの!?」

「寝てるなんて言ってない」



そうだけど。寝たふりなんてずるい。

檜山が起きていたと思うと自分の行動が恥ずかしくなってしまい、私はベッドから出ようとした。

けれど檜山は、こちらを向くと私の体を抱きしめた。


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