仕事も恋も効率的に?

★近づいていく★

タバコの帰りにまたばったり会ってしまう。
なんでこんなにタイミングいいかなぁ...。

目線を投げられ、ピタッと止まってしまう。
おいでおいでをされると弱い...。ふらふらっとそばに寄ってしまう。

『大丈夫か』
『私は大丈夫...。佐川さんこそあんな言い方して大丈夫?』
『ん?別にホントのことだし?』
『ぷっ...笑。そゆのは平気で言うのね 笑』
『なんだよ?変か?』
『んーん?んじゃあ、専属上司様?お仕事ちゃんとちょーだいね?』

クスクス笑いながら、下から見上げてくる顔にドキドキする。
思わず、壁に手を付き、みちを囲ってしまう。あぁ、好きなやつには平気でできちゃうんだな、所謂壁ドンってやつ?なんて冷静な俺が思う。

『そーゆーこと言うと、上司権限使いたくなるんだけど?』
『なっ...』

いつもよりも大きく開かれた綺麗な目をパチパチとさせ、ほんのり照れているのが可愛い。

『ん?いや?』
『っ...うぅ...』

ちょっと俯いて返答に困る姿を見てニヤニヤしてしまう。
突如キリッと目線を向けられ、人差し指でくちびるを塞がれる。

『そーゆーこと、簡単に言ったらダメですよ、もぅっ』

腕の中にはいるくせに、簡単に抜けていく。
スタスタと課内に戻る、同僚から愛しい女と認めてしまった彼女は、結構つれない。

俺の事本気にしちゃって。
後悔しても知らねぇから...。

(ったく、なにあのイケメン!ドキドキ止まらないじゃん!!)
ガムを噛みながら、ちょっと前にに揉めていたことも忘れて、壁ドンを思い出して顔が赤くなる。

近くで見ても、本当にカッコイイ。肌も綺麗、整った眉、綺麗な目。危うく抱きつくところだった...。整った唇で、キスしてほしい、そんな感覚に酔ってしまった。

『...しばらく1人で仕事しよ...』

相手はモテモテ出来杉くん。相手にもされないなら、最初から絡まなければよかった...。

これ以上そばに居たら、好きな気持ちが抑えきれない...!
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