君と見つける、恋の思い出
部活
あれから二週間経った。
一年のオリエンテーションは終わり、授業は開始したらしい。
そして今週に入り、叶花は昼休みのたびに二年の教室に来ていた。
「浅賀くん、嘘ついてたんだね」
叶花が初めて二年の教室に来た日、隣の席の彼女が、落ち込んだ表情で言ってきた。
「蓮くんは嘘ついてないよ? 私たちは、友達なの!」
そんなに友達と言いふらすのが嬉しいのか、と思ったが、皆、俺たちの関係を疑うより、叶花の態度が気になるらしい。
平気で先輩にタメ語で話しているのだから、当然だろうが。
「あれ? 君、もしかしてカナカ?」
すると、パックにストローを刺し、口にくわえながら前のドアから入ってきたあいつが、声をかけてきた。
……また面倒なやつが出てきた。
「私のこと、知ってるの? て、違った! え、どうしよう、蓮くん! 敬語、忘れてた!」
叶花はあいつから俺に視線を移し、そう叫んだ。
今気付いたのか。
もっと早く気付くべきことだと思うが。
俺が呆れてため息をついたのとほぼ同時に、教室は笑いに包まれた。