次の日、洋は大学へと出かけて行った。行った先で、あの女に会うであろうことは分かっていたけれど、でももう私の心は泡立つことはなかった。
 夕方に帰って来た洋は少し疲れたふうだったけれど、それでも、夏休みの残り一ヶ月は、大学には出ないと言ってきたと優しく行ってくれた。
 私もまたその日、洋が出かけた後に大学に連絡をして、一ヶ月の休暇を願い出たので、それから私たちは一ヶ月の間、私たちの部屋で、私たちのベッドで過ごした。そうして、この数ヶ月の間、少し見失いかけていた互いの心にちゃんと向き合って、そうして二人でしっかりと抱き合った。
 その月の終わりの洋の三十三回目の誕生日の日、私たちはもう一度互いの気持ちを確認し合い、そうして私は自分の心を収めた。

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