十月に入って、私たちのいつもの生活が始まる。二人して同じベッドで目覚め、洋が朝食の用意をしている間に私が洗濯をして、身繕いをする。そうして二人でテーブルについて、そして二人で出勤をする。穏やかないつもの時間が戻ってきた。
 十月の二度目の土曜日、私は少し気になりだしたことを洋に切り出した。
「ひろくん、あのね、」
「ん、何?、どうしたの?」
「うん、あのね、驚かないで聞いてくれる?」
「うん、何?」
「あのね、ひょっとしたら私、赤ちゃんできたかもしれない。」
「え、」
「あのね、もう生理が二週間遅れてるの、でね、昨日、妊娠検査役買ってきたの。」
「ほんと!」
「うん、今から検査するから一緒に見てくれる?」
「ほんと、ほんとなんだね。」

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