「私、三崎令子です。」
翌日の朝、いきなりの訪問者に私はインターホンの受話器を持ったまま立ちつくす。その姿を見てすぐに横に来た洋は、モニターに映る女の顔を見て、息を呑んだ。
「柴田先生いらっしゃいますか、お話があって参りました。」
モニターの向こうの平然とした顔が怖かった。私は何も言わずにインターホンを切る。それでも何度もベルは鳴る。私はその場に座り込んでしまった。
「杏子ちゃん、少し出て来てもいい?」
「どこ行くの?」
「少し話してくるよ、そして帰ってもらうよ。」
「・・・・嫌よ。」
「え」
「嫌、私のいない所で二人で会われるのはイヤ。話すなら私のいる所で話してちょうだい。」

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