焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
大学を卒業後、都内を中心に全国展開しているドラッグストアに入社。

一年前に商品部バイヤーとなり、スキンケア・メイクの関東エリアバイヤーを務めている。

そんな私の大学時代の友人で、今は運送会社で事務員として働いている親友の鳥居(とりい)みどりは、料理を注文するなりテーブルに往復ハガキを出した。

肩まである栗色のふわふわ髪を揺らし、彼女は人差し指を立ててニッコリ微笑んだ。

「杏、年貢の納め時よ」

「なによ、藪から棒に……」

ビールが先に運ばれてきたから、おしぼりで手を拭きながら尋ねると、みどりはバッグの中から一枚の紙を取り出して、身を乗り出した。

「これよ、これ! 一緒に参加しようよ!!」

印刷された紙を受け取り見ると、そこに書かれている文字を目で追う。

「……トーキングフェスティバル?」

口に出して言うと、みどりは何度も首を縦に振った。

「そうなの~! 友達からこういう婚活パーティーもあるって聞いて、びっくりしちゃった」
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