焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
「では、こちらでお願いします。本日はありがとうございました。今後ともよろしくお願いします」

無事に商談が成立し、メーカーと問屋を見送った後、肩の力が抜けた。

「ふぅ。よかった、どうにか希望値で仕入れることができて」

廊下に漏れたひとり言。腕をグンと伸ばして、商品部へ戻っていった。

ドラッグストア・アオノは誰もが知っている全国展開のドラッグストア。

入社後、私は店舗経験を積み、三年後に本社へ異動。そしてみっちり商品部の基礎を叩き込まれて昨年に商品部バイヤーとなり、スキンケア・メイクの関東エリアバイヤーを担っている。

最初は不安でいっぱいだったけれど、研修制度はしっかりしているし、それにエリアごとにバイヤーはおり、年に二度ほど全国のバイヤーが一堂に会して情報交換や親睦を図るものがある。

昨年初めて参加したけれど、普段は同じ仕事をしている人はおらず、なんでも自分ひとりで決めなくてはいけないから、同じ業務をやっている同僚と交流を図れてとても勉強になった。
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