溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜
寂しがり屋だから上京した頃はよくホームシックになっていたし、今でも帰省したあとはしばらく心細さを感じてしまう。
素直に言えたことはないけれど、恋人にはたくさん甘えたいし、できるだけ一緒にいたい。


そんな私の気持ちに反して、今までの元カレたちはみんなサバサバした関係を望んでいたのだと思う。
だから、悲しいけれど、長く続かなかったのは仕方がないことだったのかもしれない。


今では彼らとは縁がなかったのだと思うことにしているし、何年も引きずるほどの恋だったわけでもないけれど……。
毎回同じような理由で振られてばかりいたせいか、いつの間にか恋愛に対しては前向きな気持ちにはなれなくなっていて、私には恋愛は無理なんじゃないかと思い始めていた。


だって、恋愛に対しては心のどこかでブレーキを掛けている私がいて、気がつけば四年も恋とは無縁の日々を送ってしまっているから。
それをどうにかしたいと思う反面、またすぐに振られてしまうかもしれないと心のどこかで考えている私がいて、恋をするのがほんの少しだけ怖かった──。

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