溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜
Pledge 3 「デートするんだよ」
心地好い微睡みの中で、寝返りを打つ。
今日は土曜日だということはさっきスマホで確認したから布団をすっぽりと被り直し、暖かいベッドに身を委ねるようにして再び眠ろうとした時、枕元に置いていたスマホが震え始めた。


ブーブーと鳴り続けるバイブ音に眉をひそめたのは、メールの着信ではないと気づいたから。
土曜日の朝はゆっくり過ごしたいのに、電話なんかで邪魔しないで欲しい。


鳴り止まない着信に急かされて眠ることを諦め、やる気のない手をモゾモゾと伸ばすと、スマホが大人しくなった。
どうやら相手が電話を切ったみたいだけれど、頭が覚醒し始めたせいで誰から掛かってきたのか気になってしまう。


ため息混じりに瞼を擦ってからスマホのディスプレイを確認した瞬間、「え……」と声が漏れて思わず目を見開いていた。
寝惚けているのかと思ったけれど、何度見ても間違ってはいない。


どうして穂積課長から? 今日って土曜日だよね!?


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