双子の弟と幼なじみ
『バカ…』
「美優ちゃんは、誰が好きなの?」


「ほのちゃんこそ。好きな人いるんでしょ」




教室の隅からそんな会話が聞こえてくる。


話しているのはみぃと田谷さん。




「い、いないよっ。私そういうのわかんないもん」


「そうなの。好きな人、いるんだと思ってた」




高校に入ってようやく、友達とまともに話をしているみぃを初めて見たかもしれない。


案外、楽しそうに話すんだなって。




「歩宇くん〜。どこ向いてるの?
ご飯食べなよ?」


「あぁ、うん」


「そのお弁当はお母さんが詰めてくれてるの?」


「…いや、僕が詰めてるよ?」




うわごとのように女の子と会話する。




「みーゆちゃんっ!」


「…りーくん、どしたの」




女の子、葉山瑞稀とそんなやりとりをしているうちに、現在最大の敵が。


みぃは、普通に接している。


あの時は、ただただお腹が空いててイライラしていただけらしい。
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