一期一会
7 誕生日
ついにこの日が来た。

来てしまった。

五月二十日。

私の誕生日。

今までの誕生日で、こんなに緊張した日はない。

緊張のせいか早くに目が覚めてしまった。

やることもないので準備を済ませたら家を出た。

学校にはいつもより早い時間に着いた。

教室にはまだ誰も居なかった。

静かな教室の窓の外からは朝練をしている人達の声が聞こえる。


私はコッソリと外を覗き、彼の姿を探すとすぐに見つけた。


……今日も格好良い……。


彼を眺めていたら少しずつ教室が騒がしくなって来た。
私はそんな声を背中に感じながらもずっと窓の外を眺めていた。


「えー!瑞季いる!」
「おはよう、早いね」

そこに成実ちゃんと紘子ちゃんがやって来た。

「二人ともおはよう」
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