一期一会
5 日曜日
「二人ともお願いがあるの。次の日曜日、空いてる?とゆうか、空けといて!」


放課に突然成実ちゃんに「教室では出来ない話がある」と私と紘子ちゃんは女子トイレまで連れてこられた。
成実ちゃんからはお誘い…ではなくお願い?
彼女はとにかく緊張した面持ちをしている。


「空いてるよ」

理由が気になるが私は答える。
その日はバイトも入っていない。

「私も空いてるよ。どうしたの?」

紘子ちゃんも成実ちゃんのおかしな様子に気付いたようだ。
不思議そうな顔をして問いかける。


「それがアツヒロからカラオケ行こうって誘われた」

「良かったじゃん」

紘子ちゃんが納得した顔で返す。

「うん、良かったね。で、どうしてアツヒロ君と私達が関係あるの?」


アツヒロ君と上手くいってるみたいで良かったと思っていると、成実ちゃんは突然両手をパチンと合わせてお願いのポーズをした。


「密室に二人きりなんて耐えられないから付いてきて!!」

「「えっ」」


私達は同時に驚く。


「二人で行ってきなよ。私達誘われてないんだし」

紘子ちゃんは呆れた顔で返す。

「紘子チャン、冷たい!」

目を潤ませてる成実ちゃん。
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