ふたり
いつものように僕が2人いたとして君はどっちが好きになるのだろうか今まで過ごしていた僕を好きになるのかそれとももう1人の僕を好きになるのか...まぁそんなのはわかんないね。
だってもう1人の僕は、性格も言葉遣いも中身は何もかも違うんだから。

前で手を繋ぐ2人を見る。そして、あぁそこは僕の場所なのにと虚しさが込み上げる。
でも、そんなのお得意のポーカーフェイスで、顔になんて全然出やしないから。
ほら、また君達は僕を好いている。
そんな顔で見ないでよ、辛いからさ。君たちは僕に、笑顔で2人で行った場所の話をする、それはもう楽しそうに。幸せだって顔に書いてある。そして、それを僕に話してくれる。
こんなことがあったよって、あの景色見せたいなって。
そんなに純粋な感情を向けられちゃ叶わないよ。
僕は心に鍵をかける。
あの時、お前に君をあわせなきゃよかったよ、本当に。
でも、きっと出会ってたんだろうな。やっぱり運命ってやつかな。
本当にお似合いだよ。
おめでとう。
送ってくれた2人に手を振る。自分のベットに寝転がった。
頬につたる冷たいそれに、僕は知らない振りをした。
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