100日間、あふれるほどの「好き」を教えてくれたきみへ
きみと迎えた二回目の朝








怖いものは、こう見えていっぱいある。



すぐ吠える犬。
突然のクラクションの音。
前触れもなく発生する静電気。


でも、一番怖いのは、自分と違いすぎるもの。


キラキラしたもの。
可愛いもの。
すぐに壊れる繊細なもの。



あと――佐原。



佐原は怖い。


暖かいより、熱くて。

日陰よりも日向が似合って、私をすぐに見つけてしまう。

関わらないでほしい。そうやって迷惑そうにしたって、あいつはめげない。


なんであの日、佐原なんかに頼っちゃったのかな。


なんで、あの日……。



『お前、泣いてたの?』


それは、なにをやってるんだろうっていう自己嫌悪と、もうなんだっていいやっていう諦めた気持ちと。


〝大丈夫?〟

うざったいくらい聞かれたその言葉に……。



〝大丈夫じゃない〟


そう、言いかけた自分の弱さに、泣けてきただけだ。


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