極上御曹司の愛妻に永久指名されました

1、卒業旅行にナイトがふたり

「わあ~、見るだけで楽しいね」
店頭に綺麗に陳列された色とりどりのマカロンを見てテンションが上がる私。
二十種類くらいありそう。
「うん。まるでメルヘンの世界〜」
横にいる親友の小春が嬉しそうに相槌を打つ。
私は大学の仲間と卒業旅行でパリに来ている。
三月中旬だけど、今日は気温五度で寒い。
朝から美術館を見て回り、今はシャンゼリゼ通りを歩いてショッピング中。
時刻は午後四時過ぎ。
可愛いチョコの店や有名ブランド店が並び、ウィンドウを見ているだけでもわくわくする。
そして、偶然見つけたのが、このマカロン専門店だ。
私、真野紫は大学生、二十二歳、彼氏なし。
生まれつき色素が薄いのか、髪はダークブラウンで、瞳はヘーゼルナッツ色。
肌の色も白くて、純日本人なのにハーフかクォーターに間違われる。
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