元カノと復縁する方法
6.好手と悪手
だめだ、集中力が・・

ぐ、と伸びをして時計を見る。
23時。完成は見えている、あと少し。

こんなに何かを頭に詰め込むのは、久しぶりだ。新しい知識が入ってくる感覚は、旭は嫌いではない。
香月には、思うところはもちろんあるが(そして、失礼だと分かっているが、怖い。)、颯をはじめ、このチームのメンバーに甘えてしまっていたというのは、他から来た人に言われるなら、そうなのだろう。

頑張ってた、つもりだったんだけど。

本音がぽつんと心に浮かび、香月に言われたことと、旭のデスク以外明かりがついていないしんとしたオフィスに、少し、泣きそうになった。

颯に、頼れば良かった。

弱い心がそう囁く。ぶん、と頭を振った。

画面に向き直る。

頑張ろう。


そう言い聞かせたとき、ドサ、と横に何か置かれた。

ビクッとし、椅子がガタンッと音をたてる。
少し慌てたような声が落ちてきた。

「ごめんね、驚かせた?」

「桐山さん・・!」

上を見ると、穏やかな顔をした桐山が、紙袋を手に持って立っていた。
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