日向はキミのもの。













「じゃあさ・・・こういうことにしない?



受験に二人とも合格したら付き合うってのは?」




「・・・えっ」




「やっぱりね、違うと思うの。
別れてそんなに間もないし、私が別れた理由には
辛い以外にも勉強って言うのがあるって言ったでしょ?」



「うん・・・」



「だから、受験っていう壁を乗り越えてからにしようよ。」



「・・・・・・」



「それなら頑張れるでしょ?」



「うん」



「また期待裏切っちゃってごめん。


でもこうじゃないと借りは返せないよ」



「・・・分かった」



「よしっ!じゃあ頑張ろ?」



「ねーねー、このことみんなには
秘密だよ?」



「ひ、秘密っ?!」



「うん。ひーみーつ!」




ただ隠そうって言ってるだけなのに秘密って単語を聞いたら胸がドクッてなった。










「日向〜〜!!!ただいま!!」



「お母さんおかえり!!」






旅行から帰ってきたお母さんは私に飛びついてきた。




「お、お母さんと重いよ・・・」



「会いたかったよぉぉ」



「恋人同士じゃないんだから(笑)」



「あっ・・・恋人で思い出したけど、
お泊まりどうだった?大丈夫だった?!」



「あーっ、えっとね、相手の子。
同じクラスで友達だったんだよねぇ・・・」



「えっ!そうなの?!!


良かったわね!美穂ちゃんに言っとくね!」



「えっ、うん」






時差とかで疲れてるはずなのに
終始ウキウキのお母さん。


美穂さんとの旅行すごい楽しかったんだろうな。

自分の事のように嬉しくなる。






「あ、日向お土産〜!」



「ん?あっ、ありがとう!!お母さんっ!」





お母さんから手渡されたのは小さなストラップだった。



「これね向こうでは人気のストラップみたいだよ!

美穂ちゃんの子供さんとおそろい!」




「えっ、ゆ、優・・・」



「優くんって名前なの?」



「いや、違うよ、優・・・希っていうの・・・」



「あっ、優希くん!いい名前ね!美穂ちゃんらしい!」






お母さんは口を開けば、すぐ美穂さんの話。

本当に好きなんだなぁ・・・


















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