怨返し─赦されない私の罪─
始まる恐怖

朝日に照らされ、眠気に襲われながらも次々に登校してくる生徒達。友達と話しながらの生徒もいれば一人でとぼとぼ歩く生徒、日直か宿題がまだ終わってないのか急いでいる生徒などが校門を通っていく。

それぞれ個性が出てくるがどこの学校でも見れる景色。その景色に一点だけ異色が現れた。
涙を流しながら悔しさに歯を食いしばり、大股で一歩一歩、足に力が入って重かった。

普段の日常では見ることがない異色に当然他の生徒の目がいくが、その異色は気にはしない。そもそも気にするかどうかの問題ではなかった。


異色は校門の調子のまま、ドアを強く開いて教室に入った。
教室内の生徒の目を受けながら、その異色はある生徒を目で探し、見つけた。

異色は後ろの方で仲良く話していた来希と清都に近付き、後ろを向いていた清都を力いっぱい押した。

いきなりのことで清都は体勢を崩し、目の前にいた来希を巻き添えに倒れた。


「いって!誰だゴラァ!!?」


「あんた達!どこまで人を殺せば気が済むのよ!!そんなに人殺しがしたかったらさっさと紛争地帯にでも行ってよ!!なんで善子さんを!」


その異色は依奈だった。朝一に善子の死を知って涙ながら学校へ登校してきた。
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