怨返し─赦されない私の罪─
恐怖の支配者


笑い声が飛び交い、朝日が眩しく照らせる賑やかな教室。男子は馬鹿な事をして遊び、女子は友達と話していた。

だが、そんな中一人スマホをいじっていた女子高生がいた。ロングの黒髪を垂らしながらボーッと画面を見ている。
彼女はゲームやSNSをしているわけでもなく、意味もない操作を何となくやっていた。

彼女に構ってくれる友達が居ない訳では無い。彼女自身みんなと楽しく喋りたかった。だが、そんな気も失せる程彼女は心の中のモヤモヤに支配されていた。


「依奈〜。おはよう〜。」


「あっ、美苗。おはよ...」


依奈に声を掛けてきた、茶髪のロングヘアーで美人顔な人物、八栗 美苗。彼女の身体から漂う鼻が折れそうな香水の匂いは、まだ依奈は耐性が着いていなかった。
少し顔を顰め、それを誤魔化すようにスマホに目を移した。


「依奈って本当にスマホ依存症だよね〜。朝来たら絶対にスマホばっか見てるじゃん。」


「ははっ.....何か癖になっちゃってさ。スマホ見るの...」


「そういうのを依存症って言うんだよ〜。そんなんじゃ彼氏出来ても嫌われちゃうよ?」


「で、出来たことないから何とも言えないけど...」


高テンションの美苗に対して低リアクションの依奈。何故こんなにもテンションの差があるのかは依奈に問題があったのだ。
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