もしも叶うなら、私はもう一度この大空に恋をする。
Sky.1 暁



「……っ」


「…あんた、そんなに床が好きなら床で寝ればいいのに」



顔面を床にぶつけて目が覚めれば部屋中に鳴り響くアラーム音が聞こえて、お母さんの冷めた目が視界に映る。



顔面をぶつけた娘の心配をしない酷い母親に最悪の寝起きの不機嫌さを込めて睨む。



「大丈夫。顔面がつぶれてもあなたは私の娘よ」



自慢の娘みたいな言い方されても、前に酷い言葉ついてるの分かってる?



早く準備しないと遅れるわよ。
あたしに背を向けて部屋を出ていったお母さんを床に頬をつけて見送ってから体を起こした。



ベッドから落ちたのはきっと霞んだ青空に手を伸ばして掴もうとしたから?



「……なんにしても…痛い」



ヒリヒリと痛む鼻を押さえながら未だに鳴りっぱなしのアラームを止めた。



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