Vanilla
「飯」

「え」


リビングに入ると私は驚いた。
だって昨日見ていない朝永さんが平然とした顔でダイニングに座って携帯を眺めていたから。

私は朝永さんが着ている服を確認した。
土曜の夜から一緒の服。

お風呂はちゃんと入ったのかな……?
でもお風呂に入る必要があるなら、今のんびり携帯を見ているわけがないよね。
それに女性と過ごしているなら、ホテルか彼女の部屋で入ってるよね……。

変な痛みを胸に感じたが、私は気にしないことにし、急いで朝永さんの朝食を作る。
朝永さんはダイニングでずっと携帯を弄ったまま。
とりあえず出来上がったコーヒーを机に置いた私は気付いた。

近付いた時、髪から知らないシャンプーの香りがした。

私は洗濯をすると言いながら朝食を出すと、朝永さんは朝食を食べ始めた。

話すことが気まずい私は少しでも逃げることにした。
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