後輩営業は虎視眈々と先輩アシスタントを狙っている

後輩と飲みに行って

「そんなつもりじゃなかったのに。おごってもらっちゃった。・・・ありがとう、ごちそうさまでした。」

”ごちそうさま”と一緒にペコリと頭を下げる。


洋風居酒屋のお洒落な木製の厚い扉を開けてもらいながら、いわゆるレディ・ファーストで外に出た。

身のこなしも、女性をエスコートするところも、何もかもスマートなこの高身長なイケメン君は、会社の後輩・田村君。

外は、金曜日の夜らしく、二次会の店を選びあぐねているグループが、あっちこっちにウロウロしていた。


「いいですよ。知っていると思いますが、営業だから歩合給もつくし、先月は出張が多かったので、今は潤ってますから。気にしないでください。」

営業アシスタントの私じゃ、出張手当ても営業歩合給もない。

確かに、後輩君は、抱えている顧客も仕事量も多いから、結構、稼いでいるはず。

田村君が入社した頃は、私の方が当然多かった収入も、今は・・・。

いつから抜かされたのかな?

・・・だいぶ前だな。


「気にするよ。4つも下の子にご馳走になるのは気が引ける。」


「僕は5月生まれだから、もうすぐ実質的にも3才差です。・・・たいしたことないでしょ?」


私が早生まれの29才、彼は来月の誕生日までは25才な訳で、つまり4才年下なのだ。





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