【甘すぎ危険】エリート外科医と極上ふたり暮らし
ふたり暮らしも楽じゃない
いつもとは違うふかふかの布団に包まれ、しばしまどろむ。心地よい温かさと洗いたてのシーツの爽やかな香りを感じつつ、ゆっくりと目を開けた。

ん？　ここはどこ？

夢うつつの状態で部屋の中をぼんやり眺めていると、壁に掛けてあるメンズスーツが目に入り、一気に目が覚めベッドの上に飛び起きた。

そっか、ここは愛川先生のマンションの寝室だ！

昨日起こった出来事の数々を思い出し、うめき声を出しながら頭を抱えた。

あのアパートが放火されなければ、宿直室に忍び込むところを愛川先生に見つからなかったら、彼の誘いにのこのことついていかなければ、こんなことにはならなかったのに……。

考えてもどうにもならないことに、後悔の溜息をつく。

「……はぁ、今更だよね」

ところで愛川先生は、どこにいるのだろうか。

ベッドの左側はもぬけの殻で、寝室に彼がいる気配はない。窓の外はすっかり明るくなっていて、今は何時かと時計を探した。

「え？　うっそ……」

サイドテーブルの上にある小さなデジタル時計は、あと一時間で正午になろうとしている。

こんなところでぐずぐずしている時間じゃない。慌ててベッドから降りると、スウェットのまま寝室から飛び出した。



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