ノックオジサン
まだ、二歳半の娘は絵本が大好き。
だけどついつい、読み始まると止まらない。

「もう、いっかい!!」

最近は、ママも疲れてきた。

「じゃあね、ノックオジサンって知ってる?」


「ノックオジサン?なぁに?」

ほら、食いついてきた。


「夜、寝ない子のところに、ノックオジサンが、現れるの。
合図は、三回のノック。
三回目のノックで、賑やかな声が、聞こえるとねー、入ってくるんだよ」


話のタイミングで、コンコンコン、とノックが聞こえた。


ビクッ!!
娘の体は震え、横にいる私に抱きついた。

「だからね、いい子で寝ようね」


「う、うん。」

そして、君は目蓋を閉じた。

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