「お前、いい加減に光琉さんと仲良くしろよ」

「嫌だ」

26歳になっても、遙季は光琉を避け続けていた。

午前中の診療後のやり取りで、光琉と言い合いをしてしまった遙季は、その足で休憩に入り、鈴村医療センターのすぐ近くにあるカフェバーに来ていた。

このカフェバーのオーナーは悠生。

悠生は、高校卒業後、大学で経済学を学んだ後に、何故か調理師免許を取り、カフェバー・ハルキをオープンさせた。

昼はお洒落なランチを提供するカフェとして、夜はお酒も提供するバーとして人気がある。

26歳になった悠生は、アゴヒゲを伸ばし、落ち着いた渋めのマスターとしてお客に人気だった。

遙季は腰まであるストレートの髪を1つに束ねており、薄化粧だが美人で、知的な優しい゛心の担当の先生゛として子供たちや親からも人気者だ。

県外に出る遙季を心配して、同級生の悠生と梨々香も同じ大学に進学した。

3人は、6年間シェアハウスで同居し、お互いのことは知らないことはない程、仲良しだ。

シェアハウスとはいえ、それぞれの個室にはお風呂とトイレもあり鍵がかけられる。

台所とリビングだけが、共有スペース。

プライベートが完全に確保できるため、それぞれの両親からも同居が許可された。

3人の他にも、同建物内に管理人の夫婦も住んでいるから安心だ。

いわば下宿のようなものだった。

もちろん、それを知った光琉の反対は凄かった。

遙季はそれを完全に無視。

遙季の両親は、苦笑いしながら光琉を宥めたが、光琉が何を喚こうが、進学を決めたからには全ては後の祭り。

18歳の春、遙季は、大手を振って実家を飛び出していった。

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