【最愛婚シリーズ】クールな御曹司の過剰な求愛
グリーンの大きなリースのかかったアイアンゲートを抜けると、白亜の洋館が出迎えてくれる。奥にはまばゆいほどの緑の芝生が広がり、ここで行うガーテンパーティはさぞかし素敵だろうと想像できる。

 一歩足を踏み入れればそこは別世界――そこはケイウエディングが誇る結婚式場、エスポワールだ。

 わたし自身も先日の結婚式の他に、二度ほどこちらの結婚式場で行われた式に出席したことがある。

 結婚式というのは一般的な流れがもちろんあるのだろうが、どの式も新郎新婦のふたりらしさが溢れていて、今まで経験してきたありきたりの式との違いを感じた。

 型にはめたウエディングではなく、個性のあふれる自分たちらしい式ができるとあって人気なのだが、それを実現するには設備やスタッフその他諸々と高水準でなければならない。

 決して景気の良い時代とはいえず〝ジミ婚〟や〝海外ウエディング〟をする人も多いなか、仏滅でさえ予約が取れない式場。

この事業を急成長させたのが、他ならぬ神永さんだというのだ。

 親会社である神永興産株式会社の一部門としてあったウエディング部門をここまで大きくしたのは彼の手腕によるところだというのは、彼について調べるとすぐにわかったことだった。

調べれば調べるほど、彼がどれだけすごい人なのか、色々な話が出てくる。
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