【最愛婚シリーズ】クールな御曹司の過剰な求愛
手早く荷物を片付けていると、隣に芽衣子さんが立った。

「ごめんね。わたしのせいで」

「いいえ! わたし隅っこ好きなんで。むしろうれしいくらいです」

笑顔を浮かべると、芽衣子さんも顔をほころばせた。

「じゃあ、行こう。いつもよりも遅くなったね」

芽衣子さんの言葉に、わたしはロッカーの扉を閉じ、ピンクのリボンのついていた鍵をかけた。

先に歩き始めていた芽衣子さんを追いかけてロッカールームを後にする。

そのときのわたしは、そのロッカーこそが噂の【結婚ロッカー】だなんて、もちろん知らなかった。

そしてこれから自分に起きる、運命の彼との恋なんて想像もしていなかった。

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