【最愛婚シリーズ】クールな御曹司の過剰な求愛
第一章 水もしたたるいい出会い
第一章 水もしたたるいい出会い

 午前七時十五分。証券会社の朝は早い。この時間になると多くの社員は出社している。

 朝の会議の前に、経済新聞を読んだり前日の海外の市場のチェックをしたりと情報収集をしながら一日のスケジュールを立てている。

 わたしも一通り目を通した新聞をデスクの一番下の引き出しに入れて今週の予定を確認する。

 今週を乗り切れば、なんとか数字の確保はできるかなぁ。

 パソコンと手元に広げてある手帳を見つめ、頭の中でぐるぐると考える。

 田中さんは先週電話したときに新規公開株の話をしていたからその資料と、それから来週販売開始される債権の案内もついでにして……っと。

 準備する資料とともに、頭で計算するのは今月の目標数字だ。

 今月もぎりぎりかも。達成できないよりはいいけど……。

 チラッと上司である宮沢(みやざわ)課長の座る席を見る。今日も朝から難しい顔でパソコンを睨みつけている。今から始まる役職付きの社員だけの朝のミーテイングで、上役から数字についてぎゅうっと絞られるのを予測しての顔だろう。

 こういうときは『触らぬ神に祟りなし』だ。自分の仕事に集中集中……。
< 4 / 138 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop