Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
苦笑いで父に玉子を渡す。
今日くらいは、父の過剰な愛情を素直に受けてもいい。
さっきの父はそう思わせる顔をしていたから。

「愛乃がこんなに頑張っているんだったら、あんな話は……」

「お父様?」

なにかを言いかけて父が飲み込む。

「いや、なんでもない。
ほら、肉が煮えているぞ」

父は何事もなかったかのように、私のお皿へ肉をどんどん入れてきた。

「そんなに食べられませんから!」

笑ってそれを受けながら、……父の言いかけたことが、気になっていた。
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