「本日はお招き、ありがとうございます」

「いや、こちらこそ来ていただけて光栄だ」

にこやかに春熙が指しだした手を、高鷹部長もにこやかに握り返した。

――が。

どっちもどう見ても、作り笑顔だから怖い。

「愛乃、みんなと一緒にバスで行くだろ?」

「いえ、愛乃は僕と一緒に車で行きますので」

私の手を取った高鷹部長の手を、春熙はぱしっと払いのけた。

「一応、団体行動なんだが」

「いえ、皆さんにご迷惑をおかけするわけにはいかないですから」

「東藤本部長もバスで一緒に移動したらどうだ?」

みんな荷物を積み込みながら、ちらちらとこちらをうかがっている。