Take me out~私を籠から出すのは強引部長?~
「……明日は外に、出られるから」
私の視線の先、寝室の窓にも当然、警報器がつけてある。
初日、知らずに開けて、春熙にあの瞳で見下ろされた。
僕から逃げるなんてできると思っているの、って。
それから私は、春熙に従順なフリをして振る舞っている。
「明日は外に、出られるから」
夏期休業は今日で終わりだ。
明日からは、春熙はどんなにごねたって会社に行かなければいけない。
それに春熙は、明日は私に会社に行っていいって許可してくれた。
最後の挨拶をしておいで、って。
私は明日付で、SMOOTHを退職する。
「明日は……」
明日が最後のチャンス。
きっとこの機会を失えばこの後一生、この一週間のような自由を奪われた生活が続くのだろう。
なにをしたらいいのかなんてわからない。
なにができるのかだってわからない。
でもあの日、あの人は私に諦めるなと言ってくれた。
だから私も――最後まで、諦めない。
私の視線の先、寝室の窓にも当然、警報器がつけてある。
初日、知らずに開けて、春熙にあの瞳で見下ろされた。
僕から逃げるなんてできると思っているの、って。
それから私は、春熙に従順なフリをして振る舞っている。
「明日は外に、出られるから」
夏期休業は今日で終わりだ。
明日からは、春熙はどんなにごねたって会社に行かなければいけない。
それに春熙は、明日は私に会社に行っていいって許可してくれた。
最後の挨拶をしておいで、って。
私は明日付で、SMOOTHを退職する。
「明日は……」
明日が最後のチャンス。
きっとこの機会を失えばこの後一生、この一週間のような自由を奪われた生活が続くのだろう。
なにをしたらいいのかなんてわからない。
なにができるのかだってわからない。
でもあの日、あの人は私に諦めるなと言ってくれた。
だから私も――最後まで、諦めない。