君と二人の201号室
ごはんと管理人さん


「――ん……。ふわぁ…よく寝た…」



寝起きがこんなにもスッキリしているなんて、久しぶりだった。


昨日は色々あったな……。いや、日付変わってたから今日か。

いい人そうとはいえ、初対面の男の人の家まで着いて来るなんて、私もついにおかしくなったのかな…とも思ったけど、本当にいい人だと思う。だって、この部屋鍵までついてるし。


今、何時だろう……。

そう思い、枕元にあった時計に目をやる。


…え、10時!?

睡眠時間、およそ6時間半……。

久しぶりだなぁ、こんなに寝るなんて。


普通の女子高生だったら睡眠時間はこのくらいなのかもしれないけど、バイト詰めの私の睡眠時間は、いつも大体3~4時間くらいだ。

体に良くないことはわかっていたけど、そのくらい働かないと生きていけなかったし、昔から体力はあったので「大丈夫だ」と自分に言い聞かせていた。

だから、こんなに寝るのは久しぶり。


…そういえば、朝ごはん作らなきゃ……。

…って、もう10時だし、朝ではないかな…?

そもそも、拓海さんは起きてるのかな…?


そう思い、とりあえずリビングを覗くと……いるな、拓海さん。

…お腹空かせてるか、もしくは…インスタント食品とか?



「拓海さん、おはようございます…」

「あ、菜帆。おはよう。おはやくないけど。眠そうだけど、よく眠れた?」

「はい、ぐっすり」

「良かった」



そう言って笑う拓海さんを見て、私の胸がドキッと音をたてた。

笑顔、可愛い…。

男の人に「可愛い」なんて、あまり使わないし、思われたくないのかもしれないけど…可愛いと言わざるを得ない。だって、すごく可愛いもん。



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