『One more Love♡』
>>2 璃桜くんのbirthday・慎さんのbirthday
「そう言えば璃桜?」
「なぁに?」
「もうすぐ誕生日だね。何か欲しい物とかあるの?」

慎さんは,運転しながらバックミラーで後部座席にあるチャイルドシートに座る璃桜くんに聞く。

「………」
「璃桜?」
「ほちいものあゆけど…いまはいえにゃい…」
「そうなの?」

璃桜くんは,『コクンッ』っと縦に1つ頷く。

「璃桜くんの誕生日っていつなんですか?」
「3日後なのよ。因みに,その2日後はワタシの誕生日だったりするのよ」
「ええっ?!」

あたしは,璃桜くんの誕生日が3日後な事にも驚いたが,慎さんの誕生日もその後直ぐに来る事に驚いた。

「あら~新鮮な反応♡」

慎さんは,嬉しそうに微笑む。
あたしは,頬を紅く染めて,話を逸らすかの様に,璃桜くんに言った。

「璃桜くん,欲しい物あるけど,今は言えない…って言ってたけど…誕生日までには教えてね」

あたしは,チャイルドシートに座る璃桜くんに抱き着いてそう言うと,璃桜くんは,〝うん〟っと小さな声で返事をしてくれた。





しばらくすると,目的地でもあるショッピングモールへと到着した。

「着いたわよ~」
「「はぁ~い」」

慎さんは,先に車から降りた。
あたしは,璃桜くんのチャイルドシートからベルトを外して抱き上げてチャイルドシートから下ろすと,さらに璃桜くんが『ギュー』っと抱き着いて来た。

「どしたの?甘えたいのかなぁ?」

あたしは,まだ車から降りてない状態で璃桜くんを抱きしめ返す。

「ココたん…」
「ん?なぁに?」
「ココたんは…パパのことしゅき?」
「……えっ?いっ,いきなりどうしたの?」

あたしが焦った様な口調で聞き返すと,

「しゅき?それともきりゃい?」

璃桜くんが真剣に聞いて来るので,あたしは璃桜くんの耳元で正直に答えた。

「ホント?」
「しっ。慎さんには,ヒミツね」

あたしは口元に人差し指を持って行くと,〝うん,わかった~ひみちゅね〟っと言って『ニコッ』っと笑い掛けて来た時,後部座席のドアが『ガチャ』っと開けられ,『ドキッ』っとした。

「降りないの?」
「お,降ります。ね,璃桜くん」
「うん♪」

あたしは,璃桜くんを抱き締めたまま車から片足を降ろすと,慎さんが璃桜くんを抱き上げ片腕で抱っこをし,あたしが車から降りやすい様に気を使ってくれたのだ。
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