お見合い婚 俺様外科医に嫁ぐことになりました
番外編~抱えきれないほどのプレゼント


大きな袋を肩から提げ、ベビー服専門店から千花がニコニコ顔で出てくる。

修矢とふたりで婚姻届を提出してから二週間が経過。あのあと久城総合病院の産婦人科で診てもらったところ、千花は妊娠三ヶ月という診断だった。
幸いにもつわりはそれほど重くなく、千花は早速ベビー用品の買い物を始めたところだ。


「よいしょ」


ひと声掛けて、もう一度荷物を肩に掛け直したときだった。


「あれ? 千花ちゃんじゃないか?」


不意に呼び止められ、千花が振り向く。
すると、十数メートル離れたところから走り寄ってくる一樹の姿が見えた。修矢に隠し子がいると誤解し、落ち込んでいたときに会った以来だ。


「こんにちは」


千花が挨拶をすると、一樹がパッと顔を輝かせる。
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