年下御曹司の、甘い提案が聞きたくて。
年上の私と年下の彼
出会いは中途採用の試験日だった。

私は銀行を辞めて、この北芝電機(株)の事務職に就きたくて、面接を受けに来ていた。

同じく彼は此処の営業職に就きたくて、それまで勤めていた会社を辞めたばかりだと言っていた。


「お互いに受かるといいですね」

「受かったら同期生だね」


話し合いながら面接までの時間を過ごし、お互い入社出来たらまた会おうと言って別れた。


……そして、九月になって、私達は再会した。

私は営業部二課の事務職として採用され、彼は営業一課の外部交渉役として採用されていた。


「おめでとう。会えて良かった」


そう言う彼の名前は筒井輝だと聞かされた。
素敵な人で、身長が百八十センチはありそうだと思えたし、髪が少し茶色くて目が青っぽいから、ハーフかクォーターかな…と窺えた。


「こっちこそ、会えて光栄です」


小島望美です、と名乗る私は、何処にでもいる純日本風の顔立ち。
丸顔で鼻も少し低め。唇も小さくて身長も百六十センチくらいしかない。
髪もストレートで黒い。これは就活の為だけではなく、普段から染めたこともないんだ。


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