――それから2年後。

 高校を卒業した私は、奨学金制度を利用して大学に進学する。
進学せずに就職することも考えたけれど、この成績で進学しないなど勿体ないと高校の担任が母を説得してくれたおかげで、進学することができた。

 大学生活を送りながら、アルバイトに励む日々。単位もしっかり取れているので問題なくこのまま進めば卒業もできるだろう。

 将来何になりたいとか、まだそこまで考えていないけれど、ちゃんとした会社に勤めてしっかりと安定した生活を送りたい。

 今まで女手ひとつで育ててきてくれた母に恩返しができるようになることが一番。

名の知れた大学に娘が通うようになり、少し余裕が出てきたのか、母は最近出かける回数が増えた。
今まで私を育てるのに精いっぱいで大変だったと思うから、楽しそうにしてくれているのを見ると嬉しくなる。



「友里、綺麗よ」
「……これ、本当にいいの?」
「当たり前でしょ。友里の成人式なんだから」

 全身鏡の前で立つ私は、いつもの私じゃないみたい。真っ赤な振袖を身につけ、髪はアップスタイルになって生花が飾られていて華やか。
いつも化粧っけのない顔をしているのに、今日はプロにお願いしてもらってメイクをしてもらっている。

 眉は整い、目はアイラインを引いてぱっちりした。まつ毛も扇型に広がり、より一層目を引き立たせる。頬も淡いピンク色で、唇も。

 こんなふうに着飾ったことがないから、別人のように感じる。魔法をかけてもらったみたいで、何度も鏡を見ては体を捻って全身を眺めた。