眠り姫

溢れる何か

準「綾ちゃん!聞いて!」

「そんなに焦ってどうしたんですか?」

準「効果が出そうな薬が見つかったんだ!」

「えっ、本当ですか!?」

準「ああ、勿論だ!」

「すっごく嬉しいです」

準「でも一つだけ、まだ臨床試験が行われていないんだ」

「じゃあ、私にして下さい!」

準「良いのかね?」

「勿論です!」

準「綾ちゃん、じゃあ今から点滴入れるから」

「はい、何か副作用はありますか?」

準「暫く眠ってしまうかもしれない」

「分かりました」

準「じゃあ打つよ」

「はい」

暫くして眠くなってきた。

眠っていると、

【夢】

?「綾ちゃん!」

生と死の神様?

「神様?」

?「あのね、綾ちゃん今だけ目を覚まさせるから絶対頑張るんだよ?」

「えっなにが?」

?「すぐに分かる」

そう言って、

私は目覚めた。

蓮「綾!」

奏&紫苑「綾ちゃん!」

律「綾ちゃん!」

龍「綾ちゃん!」

見ると周りには

蘭龍がいた。

そう言うことか、生と死の神め!

「みんな!蓮も!」

蓮「なんで勝手にいなくなったりするんだよ!」

ここは嘘をつかないと、、

「蘭龍が嫌いだから」

蓮「嘘つくなよ!本当のこと教えてくれ」

貴方は私の嘘を見破るんだね。

「終わりが近いから」

蓮「どう言うことだ!」

「もう長くない、だから一緒にいたら泣いちゃう」

蓮「それを全部ひっくるめて俺達が支えるんだろ?」

律「一人で抱えこんでも意味がない」

蓮「そうだ、もう何処にも行くな、俺はお前がいないと生きてけない」

「れっんグスン」

不意に溜まっていた涙が零れ落ちた。

それと同時に留まることを知らないのか幾度となく流れる。

顔はきっと真っ赤っかだと思う。

蓮は私を抱きしめた。

そして耳元で優しく囁く。

「愛してる、顔が真っ赤な綾も好きだよ」

なんていう恥ずかしい言葉を残して。

「みんな本当にごめんなさいヒック」

奏&紫苑「本意じゃないことくらい分かってる」

「ありがとう」
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