大宮課長は今日もいじわる
デート

「あれ?ゆずちゃん、デート?」
こんなにめかしこんで出掛けるのは
久方ぶりだったから、
リビングルームで紅茶飲みながら、
週末の朝を過ごしている真希ちゃんが
目を見開いている。
「い、いやぁ…まあ、ちょっとお出掛け…」
『デート』という言葉を使いたくなかった。
だけど実際は『デート』ということになるな。
うん、ただ『デート』と認めたくないだけ。
大宮課長以外とデートをするのは
後ろめたい気持ちがあったから。
課長の彼女でもなんでもないのに。

「もしかして、ゆずちゃん…
彼氏ができたの?!」
真希ちゃんが両手で口を覆った。
「ち、違うよ!」
「でも、男なんだよね?!」
「ま、まあ…」
「どこの人?好きなの?」
真希ちゃんは興奮して次々質問を投げてつけてくる。
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