大宮課長は今日もいじわる
課長とディナーはあぁやっぱり

こういうシチュエーションはそうそうない。
大宮課長と、エレベーターで二人きり。
しかも、人も少ない夜。

で、私たちは私服だ。
ということは職場の出来事じゃなくて
プライベートな感じがする。

プライベートで課長と二人きりと考えると
何となく、ドキドキする。

「おい」
静かなエレベーターの中で
どんどん減っていく階数を見つめていたら、
課長が切り出した。
「何食いてー?」
いつも通り、めんどくさそうな聞き方だけど。
「えっと…課長はー…?」
「俺はお前のおごりで高級フレンチ
1万5千円コース」
意地の悪い笑みを浮かべ課長がそう言った。
なんでもいいってことだな。
うん、私が決めよう。

何がいいだろう…
ここは慎重に答えなきゃ。
気分はお肉が食べたい。だけど、
パスタの方がいいのかな?
パスタなら、もし課長が野菜の気分なら
野菜系パスタ、魚介なら、シーフード系とか
選べるしね。
いや、でも、昨日はカルボナーラだったなあ…
じゃあやっぱり肉?
だけど肉というと焼肉だったり、牛丼だったり、
まあ、大宮課長で肉と言えば、
牛丼なんてありえないか。
むしろ…
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