不埒な先生のいびつな溺愛 〜センシティブ・ラヴァーズ〜
浮気はささいな不安から
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トークショーの日、私は開催される書店の店舗に向かい、セッティングの様子を見に来ていた。

結局、他社の作家さんが呼ばれることとなったらしく、編集長は肩を落としていた。
しかし感謝してもらいたい。私はトークショーで久遠くんの評判ががた落ちするのを事前に防いだだけだ。

彼の魅力は、トークショーでは分からない。作品を読んでさえもらえれば、それ以上読者に求めることはないのだ。

しかし久遠くんの件で書店の担当者と顔を合わせていた私は、せめてもの償いとして今日は手伝いという名目でここへ来ている。

書店スタッフとコーディネーターが入り乱れる会場で、私は手持ちぶさたのまま立っていた。

如月文庫の関係者の姿もある。
今日のトークショーの主役は如月文庫の大型新人『加地かほる』。私の侵入は、偵察も兼ねていた。
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